マレーシアでの税金制度|個人・法人・消費税の基礎ガイド
マレーシアで生活したりビジネスを始めたりする場合、税金制度を理解しておくことは非常に重要です。所得税や法人税、消費税など、制度の基本を押さえておくことで、適切な納税と節税の対策が可能になります。この記事では、マレーシアの主要な税制について解説します。
1. 個人所得税(Income Tax)
(1) 税率と課税方式
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マレーシアの個人所得税は累進課税制度
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税率は0%~30%(2025年現在)で、所得が多いほど税率が高くなる
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課税対象はマレーシア国内源泉所得および居住者の海外所得(条件あり)
(2) 課税対象
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給与所得(給与、ボーナスなど)
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自営業や事業所得
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不動産や投資の所得(利子・配当・譲渡益など)
(3) 控除・免税
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基本控除、配偶者控除、子ども控除などが利用可能
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医療費や教育費など特定支出も控除対象
2. 法人税(Corporate Tax)
(1) 税率
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標準税率は24%
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中小企業や特定条件の会社は**17%**の優遇税率が適用される場合あり
(2) 課税対象
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マレーシア国内での事業所得
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海外収入は原則課税対象外(国内源泉所得が中心)
(3) 特典制度
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投資税控除や輸出関連優遇など、外国投資誘致のためのインセンティブあり
3. 消費税(Sales and Service Tax, SST)
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マレーシアでは2018年にGST(Goods and Services Tax)からSSTに変更
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SSTは売上税とサービス税の2種類
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売上税(Sales Tax):製造・販売に課税、税率5%または10%
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サービス税(Service Tax):飲食・宿泊・保険・通信などに課税、税率6%
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4. その他の主要税金
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不動産関連税:土地・建物の評価額に応じた固定資産税
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遺産税:マレーシアでは基本的に非課税(ただし特定条件あり)
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関税・輸入税:輸入品に応じて課税される
5. 税金制度のポイントまとめ
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個人所得税は累進課税制:高所得者ほど税率が高い
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法人税は24%、中小企業向け優遇あり
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消費税はSST制度:売上税とサービス税に分かれる
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控除・免税を活用して節税が可能
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投資や事業を行う場合は、インセンティブや優遇措置を確認
マレーシアで生活・ビジネスを行う際には、居住者・非居住者の違いや所得種類を理解することが重要です。現地の会計士や税理士と相談しながら、適切に納税・節税を行うことをおすすめします。