親子間でも必要?親からお金を借りる時の借用書の書き方と手書きの文例テンプレート
「急な出費でどうしてもお金が足りない…」「親に相談して助けてもらえることになったけれど、身内でも借用書って作った方がいいの?」と悩んでいませんか?
家族の間でお金のやり取りをする際、わざわざ書類を作るのは水臭いと感じるかもしれません。しかし、いくら親密な親子関係であっても、高額な金銭の貸し借りを行う場合は、書面を残しておくことが非常に大切です。
書面がないと、後から「あげるつもりで渡した」「借りたはずなのに」といった認識のズレが生まれ、家族の絆にひびが入ってしまう原因になります。また、税務上の手続きにおいて、身内からの資金援助が「贈与」とみなされて思わぬ課税対象になってしまうリスクを防ぐためにも、正当な契約書を交わすことが推奨されます。
この記事では、親子間で金銭の貸し借りを行う際に、なぜ書面が必要なのかという理由から、法的に有効な書き方のポイント、スマートフォンやパソコンがなくてもすぐに用意できる手書きの文例テンプレートまで、詳しく分かりやすく解説します。
なぜ親子間でも金銭消費貸借契約書(借用書)が必要なのか?
実の親から資金の融通を受ける場合、口約束だけで済ませてしまうケースが少なくありません。しかし、書面を作成しないことには大きなデメリットが存在します。
家族間の感情的なトラブルを防ぐ
お金の問題は、どれほど仲の良い家族であっても関係性を歪めてしまう力を持っています。
「毎月少しずつ返すと言ったのに、今月は支払いが確認できない」「最初はいつでもいいと言っていたのに、急に一括で返してほしいと言われた」など、条件が曖昧なままだと不満が募りやすくなります。条件を明確に記録しておくことで、お互いの権利と義務がはっきりし、余計な揉め事を回避できます。
税務署から「贈与」とみなされるリスクを回避する
年間で一定の額を超える金銭を無償で受け取った場合、それは「借金」ではなく「贈与(プレゼント)」と判断され、贈与税の課税対象になる可能性があります。
税務署に対して「これはあくまで返済の義務がある借入金である」という客観的な証拠を示すために、日付や返済方法が明記された書面が必要不可欠となります。
法的な効力を持たせるために必須の記載項目
手書きであっても、パソコンで印刷したものであっても、以下の項目が正しく網羅されていれば、金銭消費貸借契約書として有効に機能します。不備のないように一つずつ確認しながら作成しましょう。
1. 作成した日付(契約日)
実際に書類を作成し、お金の貸し借りに合意した年月日を正確に記載します。この日付が、契約の起点として非常に重要な意味を持ちます。
2. 貸主(親)と借主(子)の氏名・住所
誰が誰にお金を貸したのかを明確にします。住所は住民票に記載されている正確な番地まで記入し、氏名の横に各自の印鑑(認印でも可能ですが、実印の方がより確実です)を押印します。
3. 借入金額(元金)
いくら借りたのかを明記します。金額の改ざんを防ぐため、数字は「1,000,000円」のようなアラビア数字だけでなく、「壱萬円」「拾萬円」といった大字(だいじ)と呼ばれる漢数字を使用するか、数字の前に「¥」、後ろに「-」を記入して隙間をなくす工夫をすると安全です。
4. お金を受け取った事実の証明
「貸主は借主に対し、本日上記の金額を貸し付け、借主はこれを受け取った」という旨の文章を入れます。これにより、実際に金銭の授受が行われたことが証明されます。
5. 返済の方法と期日
毎月いくらずつ返すのか、あるいは特定の期日に一括で返すのかを決めます。親子間の場合は、毎月の返済日を「毎月末日」などと定め、通帳に記録が残る「銀行振込」の手法を選択すると、返済の事実が公的に証明しやすくなるため推奨されます。
6. 利息(金利)に関する定め
無利息とする場合でも、その旨を明記しておくことが望ましいです。あまりにも高額な融資で完全に無利息にしていると、利息分が贈与とみなされるケースもあるため、年利数パーセントなどの現実的な利息を設定して、それも合わせて記載することがあります。
そのまま使える!手書き用の文例テンプレート
文房具店などで売っている便箋やレポート用紙に、以下の通りに書き写すだけで完成するテンプレートです。手書きで行う場合は、消せるボールペンではなく、黒の油性ボールペンや万年筆を使用してください。
【一括返済の場合の文例】
【分割返済の場合の文例】
契約完了後に気をつけるべき実務的な注意点
書類を作成し、署名・捺印を終えた後も、正当な借入れであることを証明し続けるために以下の点に留意してください。
印紙税(収入印紙)の貼り付け
金銭消費貸借契約書は、記載されている金額に応じて「収入印紙」を貼り、消印(割印)をする必要があります。
金額が1万円未満は非課税ですが、1万円以上10万円以下の場合は200円、10万円を超え50万円以下の場合は400円、50万円を超え100万円以下の場合は1,000円といった形で印紙代が定められています。親子間の契約であっても、税務調査の際などに不備を指摘されないよう、該当する金額の印紙を貼っておくことが望ましいです。
返済実績のログを残す
いくら完璧な書類を作っても、実際の返済が行われていなければ「形だけの契約で、実態は贈与である」と判断されるリスクがあります。
手渡しでの返済は避け、必ず親の名義の口座へ毎月決まった日に振り込みを行い、通帳にしっかりと履歴を残すように徹底してください。これが何よりの証拠となります。
無理のない現実的なスケジュール設定
「早く安心させたいから」と、自分の現在の月収に対して高すぎる返済額を設定するのは危険です。生活が困窮して返済が滞れば、結局は親にさらなる心配をかけることになります。自分の毎月の固定費や貯蓄のバランスを考慮し、途中で途切れることなく最後まで続けられる、現実的な金額を相談して決定しましょう。
まとめ:正しい手続きが家族の信頼を支える
親からの金銭的な援助は、苦しい時に大きな支えとなるありがたいものです。だからこそ、その優しさに甘えきってしまうのではなく、一社会人として責任ある態度を示す必要があります。
形式に則った書類を作成し、ルールを守って着実に返済していく姿勢を見せることは、親に対する最大の誠意であり、安心感を与えることにも繋がります。
紹介した文例を参考に、お互いの将来と信頼関係を守るための大切なステップとして、ぜひ確実な書面作成を行ってください。
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